ハンガリーを特徴づける「欧亜両性」のイメージ
昨年のノーベル文学賞を受賞したハンガリーの作家、イムレ・ケルテースはユダヤ系であり、ナチス・ドイツのアウシュビッツ収容所での生活体験をテーマに作品を書き続けている。 ハンガリーにはユダヤ系以外にも少数民族は多いのだが、ナチスの主としてユダヤ系とロマ(ジプシー)への迫害ゆえに、近代ハンガリーの権力…
View Article「祖国愛」と向き合うドイツ
名前を口にした途端に、歴史上のある記憶を呼び起こす街があるとしたら、ニュルンベルクも間違いなく、その一つだ。ドイツルネッサンスの巨匠、デューラーが暮らし、ワーグナーが素朴な民衆の芸術の高さを讃えた「ニュルンベルクのマイスタージンガー」に登場する美しい街は、恐らくドイツらしい美を内包したがゆえに、…
View Article【インタビュー】アドルフ・ブルガー(映画「ヒトラーの贋札」原作者) 「ヒトラーの贋札」工房で生き残った老人の証言
ゼレクツィオーン(選択)――生涯脳裏を離れない言葉だという。日曜日の朝、六百人ほどが裸で並ばせられ、痩せ細って働けない者は医師の合図一つでガス室送りになる。第二次大戦のさなか、ナチスドイツのユダヤ人収容所での出来事だ。 だが、スロヴァキア人アドルフ・ブルガーさん(九〇)は、一九四五年五月五日、連…
View Article「途方にくれた個人」を描いたナチス現象への診断書
『自由からの逃走』エーリッヒ・フロム著/日高六郎訳東京創元社 1951年刊 エーリッヒ・フロムは一九四一年、四十一歳で『自由からの逃走』を世に問うた。その七年前、ユダヤ人である彼はナチスが政権掌握した祖国を避けて、フランクフルトからスイス経由で米国に亡命していた。米国で本書が出版されたとき、欧州で…
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